第2章の概要記事(2-01)では、「見守り・安全まわり」に含まれる家電の一つとして非接触体温計の名前を挙げましたが、これまで個別に掘り下げた記事はありませんでした。
見守り家電ならではの注意点(2-04)では通知・センサー全般の注意点を扱いましたが、今回はそれとは別に、非接触体温計そのものの「選び方」に絞って整理していきます。
わき式(接触式)体温計との違いから、測定精度に影響しやすい使い方の注意、電池・保管の日常的な手入れ、購入前に確認しておきたいポイントまで、順番に見ていきます。
1. 非接触体温計とは、どんな体温計か
非接触体温計は、額(またはこめかみ)にセンサーをかざすだけで、肌に触れずに体表面の赤外線を読み取り体温を推定する体温計です。
わきに挟んで測るわき式や、耳に差し込む耳式(鼓膜式)といった接触式の体温計と比べて、眠っている赤ちゃんを起こしにくいという特徴があるとされています。
数秒程度で結果が表示される製品が多く、複数人を続けて検温したい場面でも扱いやすいと言われています。

2. 非接触体温計は「赤外線式」、わき式の実測式・予測式とは別の分類
体温計を調べていると「実測式」「予測式」という言葉を目にすることがありますが、これはわき式(接触式)電子体温計の分類であり、非接触体温計とは別の軸で語られる言葉です。
混同しやすいところなので、ここで整理しておきます。
わき式(接触式)電子体温計の「実測式」「予測式」
わきに挟んで測る接触式の電子体温計には、大きく分けて「実測式」と「予測式」という2つの測定方式があります。
実測式は、測定部位の温度が安定するまで、実際に温まりきった状態を待って測定する方式です。
わき式の実測式では10分程度かかることもあり、じっとしていられない赤ちゃんには不向きな場合があるとされています。
予測式は、測り始めの数十秒間の温度変化から、最終的に安定するであろう体温を計算式で予測して表示する方式です。
市販されている赤ちゃん用のわき式体温計の多くは、短時間で済み負担が少ない予測式を採用していると言われています。
非接触体温計は「赤外線式」、選ぶ基準が異なる
一方、非接触体温計は、額(またはこめかみ)の皮膚表面から放出される赤外線を読み取り、体温に換算して表示する「赤外線式」という仕組みを採用しています。
実測式・予測式のような「待ち時間の長さ」による分類ではないため、非接触体温計を選ぶときは医療機器認証の有無・測定部位・測定精度といった別の観点で比較することが勧められています。
具体的な確認ポイントは、後述の「購入前に確認しておきたいポイント」でまとめて紹介します。
3. 測定精度に影響するとされる要因
非接触体温計は便利な一方、測り方や周囲の環境によって数値がぶれやすいとも言われています。
・測定部位とセンサーの距離が、メーカー指定の範囲からずれている
・前髪や汗、ほこりなどがセンサーと肌の間に入り込んでいる
・体温計本体が、直前まで寒い場所や暑い場所に置かれていて、周囲の室温に慣れきっていない
・エアコンの風や直射日光が、測定部位に直接当たっている
こうした要因が重なると、同じ赤ちゃんを同じタイミングで測っても数値に差が出ることがあるとされています。
数値の変化だけで一喜一憂せず、体調の変化と合わせて総合的に見ることが勧められています。
4. 正しく測るための使い方のポイント
測定精度を安定させるために、いくつかの使い方の工夫が案内されています。
まず、体温計は測定する部屋にあらかじめ置いておき、室温になじませてから使うという方法です。
外出先から帰ってすぐの体温計を使うと、本体自体の温度差が測定値に影響する場合があるとされています。

次に、測定部位の汗や汚れを軽く拭き取ってから測ることも、精度を安定させる方法として紹介されています。
また、一度の測定結果だけで判断せず、数回測って近い数値になるかを確認する家庭も多いようです。
発熱の疑いがあるときの最終的な判断は、体温計の数値だけに頼らず、かかりつけ医に相談することが基本とされています。
5. 電池・保管など、日常のお手入れ
非接触体温計は精密機器のため、日常的な取り扱いにもいくつか注意点があります。
電池について
多くの製品はボタン電池や単4形電池で動作し、電池残量が少なくなると測定値が不安定になる場合があるとされています。
本体の電池残量表示を定期的に確認し、案内されている交換時期を過ぎないようにすることが勧められています。
センサー部分の清掃
センサー部分にほこりや皮脂が付着すると、正しく測れなくなる場合があるとされています。
乾いた柔らかい布で軽く拭く程度の手入れが、メーカーの取扱説明書で案内されていることが多いようです。

保管環境
直射日光や高温多湿な場所での保管は、精密機器である体温計にとって望ましくないとされています。
常温で、湿気の少ない場所に保管することが基本の考え方として案内されています。
6. 購入前に確認しておきたいポイント
いくつかの製品を比較する際、次のような観点を押さえておくと選びやすくなります。
| 確認項目 | 見るべきポイント |
|---|---|
| 測定部位 | 額(前頭部)かこめかみか、対応する部位を確認 |
| 医療機器としての位置づけ | 体温測定用として医療機器認証番号が記載されている製品かどうか |
| 対象月齢 | 新生児から使える設計かどうか |
| メモリー機能 | 直近の測定履歴を複数件保存できるか |
| スマホ連携 | アプリで検温記録を管理できるかどうか |
このうち特に見落とされやすいのが、「体温測定用」として扱われている製品かどうかという点です。
非接触タイプの温度計には、物の表面温度を測ることを目的とした製品も流通しており、そうした製品はもともと体温を測る用途で設計・表示されていない場合があるとされています。
パッケージや説明書に「体温計」「検温用」といった表示があるかどうかを確認し、体温測定を目的として販売されている製品かどうかを見極めることが勧められています。
迷った場合は、購入予定の製品がどのような用途で認証されているか、メーカー公式サイトの製品情報で確認することが確実な方法とされています。
7. 選ぶときの自己チェックリスト
最後に、非接触体温計を選ぶ際に確認しておきたいポイントを整理します。
これらを事前に確認しておくと、実際に使い始めてからのギャップが少なくなりやすいと考えられます。
数値のわずかな変動に神経質になりすぎず、あくまで日々の体調把握を助ける道具の一つとして活用することが、多くの情報源で案内されている基本的な考え方のようです。
まとめ:検温方式と使い方の両方を押さえておく
☑ 非接触体温計は赤外線式の体温計で、わき式(接触式)の実測式・予測式とは分類が異なります。
☑ 測定精度は使い方や周囲の環境に左右されやすいため、体温計を室温に慣らす・汗を拭くなどの一般的な工夫が案内されています。
☑ 発熱の疑いがあるときの最終判断は、数値だけに頼らずかかりつけ医に相談することが基本です。
見守り・安全まわりの家電全般の注意点はこちらの記事、ベビーモニターの選び方はこちらの記事で詳しく整理しています。



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