これまでの章では、平常時にどう育児家電を選ぶかを中心に整理してきました。
今回は少し視点を変えて、停電や災害時に育児家電が使えなくなったときの備えについて考えます。
電動の育児家電は便利な一方、電源が使えない状況では機能が止まってしまうという性質も持っています。
1. 電源が止まると、何が使えなくなるか
まず、普段使っている育児家電のうち、どれが電源前提で動いているかを把握しておくことが出発点になります。

ベビーモニター、哺乳瓶消毒器、調乳ポット、ホワイトノイズマシンなど、この4章で扱ってきた家電の多くは電源を必要とします。
バッテリー内蔵型の製品であっても、充電が切れた状態では同じく使えなくなるため、常時コンセントに繋いでいるタイプと本質的には近い性質を持つとされています。
| 電源方式 | 停電時の状態 |
|---|---|
| コンセント式 | 停電中は使用不可 |
| バッテリー内蔵式 | 充電が切れると使用不可 |
| USB給電式 | モバイルバッテリーで一時稼働の余地あり |
2. 調乳・授乳まわりの代替手段
帰省・旅行・外出時に使える携帯版・代替手段まとめで触れた液体ミルク・保温ポーションは、災害時の備えとしても活用できると考えられています。

調乳ポットが使えない状況を想定し、常温で飲める液体ミルクを一定量備蓄しておく家庭もあるようです。
備蓄する場合は賞味期限の確認と、定期的な入れ替え(ローリングストック)が必要とされています。
普段の外出用に購入したものを備蓄も兼ねて使い切りながら補充していく方法が、無駄になりにくいと言われています。
では実際に、どのくらいの本数を備蓄しておけばよいのでしょうか。
内閣府や農林水産省が呼びかける家庭の食料備蓄は、一般的に「最低3日分、できれば1週間分」が目安とされています。
ここでは、この目安に沿って必要な本数を試算してみます。
授乳回数は月齢によって差がありますが、新生児期は1日8回前後、生後3〜4ヶ月頃になると1日6回前後が目安として案内されることが多いようです。
1回125mlパック1本として計算すると、1日6回のペースなら「6回×3日=18本」、1週間分なら「6回×7日=42本」が備蓄本数の目安になります。
新生児期で1日8回のペースであれば、「8回×3日=24本」、1週間分では「8回×7日=56本」が目安です。
月齢や個人差が大きいため、あくまで一つの計算例として捉え、余裕を持って多めに備えておくと安心につながりやすいようです。
| 授乳回数の目安 | 3日分 | 1週間分 |
|---|---|---|
| 1日6回(生後3〜4ヶ月頃〜) | 18本 | 42本 |
| 1日8回(新生児期) | 24本 | 56本 |
3. 見守り・寝かしつけまわりの代替手段
ベビーモニターが使えない状況では、これまでと同じように直接様子を見に行く、一時的に同じ部屋で過ごすといった対応に切り替える家庭が多いようです。
ホワイトノイズマシンについても、スマートフォンの音声再生アプリで代用する、あるいは無理に音を用意しないという判断も選択肢として考えられます。
モバイルバッテリーの活用
USB給電で動くタイプの育児家電であれば、モバイルバッテリーで一時的に稼働させられる場合があります。
対応の可否は製品ごとに異なるため、普段使っている家電がUSB給電対応かどうかを確認しておくと、いざというときの判断がしやすくなります。
モバイルバッテリーの容量によって、どのくらいの時間動かせるかの目安も変わってきます。
ここでは、消費電力2W前後のUSB給電型ホワイトノイズマシンを例に計算しています(コンセント式の据え置きタイプは消費電力がより高いことが多く、その場合は稼働時間が短くなります)。
| モバイルバッテリー容量 | ホワイトノイズマシン(2W前後・連続稼働) | USB充電式吸引器(フル充電) |
|---|---|---|
| 5,000mAh | 約6〜8時間 | 約2〜3回分 |
| 10,000mAh | 約12〜16時間 | 約4〜6回分 |
| 20,000mAh | 約24〜32時間 | 約8〜12回分 |
上記は消費電力・充電効率から計算した一般的な目安であり、機種ごとの実際の稼働時間とは差が出ることがあります。
普段からモバイルバッテリーをフル充電した状態で保管しておくと、いざというときに慌てずに済みます。
4. 平常時にできる備え
停電が起きてから慌てて家電の電源方式を確認するのではなく、普段の生活の中で少しずつ準備を進めておくと、いざというときの落ち着き方が変わってきます。
災害はいつ起きるか分からないため、平常時にできる範囲で備えておくという考え方が基本になります。

・使っている育児家電が電池式・USB給電・コンセント式のどれかを一覧にしておく
・液体ミルクや保温ポーションを少量でも備蓄しておく
・モバイルバッテリーの容量・対応機器を確認しておく
一覧化の作業自体は、育児家電の説明書やメーカー公式サイトの仕様表を見ながら10〜15分程度でひととおり終わることが多いようです。
冷蔵庫に貼っておく、スマートフォンのメモアプリに残しておくなど、家族の誰が見てもすぐ分かる形にしておくと、いざというときに役立ちやすくなります。
こうした準備は、災害時だけでなく、外出時や停電を伴う設備トラブルの際にも役立つ場面があります。
まとめ:電源に頼らない代替手段も知っておく
☑ 普段使っている育児家電が電源前提かどうかを把握しておく。
☑ 調乳・授乳まわりは液体ミルク・保温ポーションのローリングストックが代替手段になりうる。
☑ 見守り・寝かしつけまわりは、直接対応への切り替えを想定しておく。
育児家電は生活を便利にしてくれる一方で、それに頼りきらない場面も想定しておくと、いざというときに落ち着いて対応しやすくなります。



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