第1章(1-01)で、「日々の家事負担を減らすもの」の例として、調乳ポットや哺乳瓶消毒器と並んで電動さく乳器という家電が挙げられていました。
第3章では「授乳・調乳・食事まわり」というカテゴリーの中で、哺乳瓶消毒器・調乳ポット・離乳食メーカーを個別に取り上げてきましたが、電動さく乳器についてはまだ扱っていませんでした。
今回は第3章の全体整理(3-01)で触れられなかったこの家電について、電動・手動の違いや外出時の携帯性なども含めて整理していきます。
1. 電動さく乳器とは、どんな家電か
電動さく乳器は、母乳を機器で吸引し、哺乳瓶や母乳バッグなどの容器に搾り出して保存しておくための家電です。
搾った母乳は冷蔵・冷凍で保存しておき、後から哺乳瓶で与えたり、外出時に代わりの人に授乳してもらったりする場面で使われることが多いとされています。
第3章のカテゴリー整理で扱った哺乳瓶消毒器や調乳ポットが「粉ミルクの調乳」を効率化する家電だったのに対し、電動さく乳器は「母乳の搾乳・保存」を効率化する家電という位置づけになります。

2. 電動・手動の違い
さく乳器には、大きく分けて手動タイプと電動タイプがあるとされています。
・手動タイプ:レバーを手で握って搾乳するタイプ。
機器の構造がシンプルで、価格帯はおおむね2,000〜5,000円程度と抑えやすい一方、搾乳に時間と体力がかかりやすいと言われています。
・電動タイプ:モーターの力で自動的に吸引・搾乳するタイプ。
手動より短時間で済む製品が多く、価格帯はシングルタイプで5,000〜15,000円程度、機能が充実したモデルでは2万円を超えるものもあります。
コンセント式・充電式・電池式など電源方式にも違いがあります。
どちらが向いているかは、使用頻度や、搾乳にかけられる時間によって変わってくると考えられます。

3. シングル・ダブルの違い
電動タイプの中でも、片胸ずつ搾乳する「シングル」と、両胸を同時に搾乳できる「ダブル」に分かれます。
・シングルタイプ:本体が比較的コンパクトで、価格も抑えやすいとされる一方、両胸分を搾乳するには単純に倍の時間がかかります。
・ダブルタイプ:両胸を同時に搾乳できるため、1回あたりの搾乳時間を短縮しやすい一方、本体サイズや価格は大きくなる傾向があり、価格帯の目安は1万円台後半〜3万円台程度です。
・1日の授乳・搾乳の回数はどれくらいを想定しているか
・搾乳にかけられる時間は、片胸ずつでも問題ないか
・職場復帰後、限られた休憩時間内で搾乳を済ませたいかどうか
搾乳の頻度が高くなりそうな家庭ほど、ダブルタイプの時短メリットを感じやすい傾向があると言われていますが、使用頻度が少ない場合はシングルタイプでも十分というケースも多いようです。
4. 外出時の携帯性——据え置き型・携帯型・ウェアラブル型の違い
さく乳器は、使う場所や場面によっても選び方が変わってきます。
| タイプ | 特徴 |
|---|---|
| 据え置き型 | パワーが安定しやすいが本体サイズが大きく持ち運びに不向き |
| 携帯型 | 充電式・USB給電式で外出先でも使いやすい、バッテリー容量に差あり |
| ウェアラブル型 | ブラの中に収まり装着したまま両手を空けられる、静音性・吸引力は製品差大 |
据え置き型
主に自宅での使用を想定したタイプ。
パワーが安定しているとされる製品が多い一方、本体サイズが大きく、持ち運びには向かないとされています。
携帯型
充電式やUSB給電式で、外出先やオフィスでも使いやすいとされるタイプ。
据え置き型と比べて本体は小さいものの、バッテリー容量や吸引力には製品ごとに差があり、価格帯はおおむね1万〜2万円台の製品が中心です。
ウェアラブル型
ブラの中に収まるサイズで、装着したまま両手を空けて作業できるとされるタイプ。
比較的新しい製品カテゴリーで、静音性や吸引力については製品ごとの差が大きく、価格帯は2万円台〜4万円台とやや高めの製品が多いようです。
職場復帰の予定がある家庭や、外出の機会が多い家庭では、据え置き型に加えて携帯型・ウェアラブル型を組み合わせて使うケースもあるようです。
第3章の調乳ポットの記事(3-03)で触れた「外出時・災害時の代替手段」と同じく、据え置き型だけでは対応しきれない場面をどう補うかという視点は、さく乳器を選ぶ際にも参考になります。
5. 母乳育児のスタイルによる必要度の違い
さく乳器の必要度は、授乳のスタイルによって大きく変わってくると考えられます。
完全母乳で常に赤ちゃんに直接授乳する家庭では、さく乳器の出番自体が少ないこともあれば、逆に母乳外来や助産師から搾乳を勧められる場面で必要になることもあるようです。
混合栄養や、職場復帰・外出のために母乳を保存しておきたい家庭では、優先度が上がりやすいと言われています。
母乳の分泌量や、搾乳の頻度・タイミングについては個人差が大きく、さく乳器の使用によって分泌量が保証されたり改善したりするものではないとされています。
乳腺炎など体調に関わる心配がある場合は、機器の使い方だけで判断せず、助産師や産婦人科などの専門家に相談することが基本とされています。
6. 中古・レンタルを検討する場合の注意点
第1章の1-03で触れたとおり、使用期間が限られる家電はレンタル・中古という選択肢も考えられます。
ただし電動さく乳器は、母乳(体液)に直接触れる部品を扱う家電であるため、他の育児家電以上に衛生面への配慮が必要だとされています。
メーカーによっては、本体をレンタル・中古で使う場合でも、母乳が直接触れるパーツ(哺乳瓶に相当する部分・シリコン部品など)は新品に交換することを案内している場合が多いようです。
中古・レンタルを検討する際は、どの部品まで再利用可能とされているか、メーカーや販売元の案内を必ず確認しておくことが勧められています。
7. 選ぶときの自己チェックリスト
最後に、電動さく乳器を選ぶ際に確認しておきたいポイントを整理します。
これらを事前に確認しておくと、実際に使い始めてからのギャップが少なくなりやすいと考えられます。
授乳・調乳・食事まわりの家電については、第3章まとめ(3-05)もあわせて参考にしてください。







コメント